SSHインドネシアサイエンス研修3
インドネシアサイエンス研修4日目
本校の連携校であるペトラ高等学校グループとの交流が始まりました。
※ペトラ高等学校グループと本校は連携校として協力をしていくために協定書を交わしています。
※本校は姉妹校以外にこうした形で海外にいくつかの連携校があります
4日目はAlam Sari Petraという学校で交流を行いました。
この日は、本校で化学を担当する教諭が授業を行いました。
大きなテーマとして「ごみ問題を解決すること」に注目し、両校混在のグループで「インドネシアと日本のゴミの分別の違いについて」ディスカッションを行いました。本校生徒と現地のペトラ高校の生徒が積極的にコミュニケーションを取り、意見交換をしていました。
インドネシアは大まかに3パターン(オーガニック、ノンオーガニック、プラスチック)の分け方だそうで、日本より少ない分類のようです。プラスチックは食べ物に使ったものなど、7つに細かく分類していることが分かりました。お互いの分類の仕方をシェアし、参考にすることでよりよいゴミの廃棄方法をこれからも探ることが大切だと感じました。
実験も行い、体験的に考えることとしました。実験概要は以下のとおりです。これは河川や海におけるプラスチックごみの状況について、科学的な視点を持ってもらうために実施しました。
◼️実験
様々なプラスチックと発泡スチロールの沈殿について
◼️道具
・PPTなどの数種類のプラスチック ・発泡スチロール ・水と食塩水 ・ビーカー
◼️内容
プラスチックと発泡スチロールを水と食塩水に入れて混ぜる。
それぞれが浮くか沈むか観察し、その原因を考察する。
◼️結果
プラスチックも種類によって浮くものと沈むものがある。
食塩水は水より密度が大きいため、より多くの物質が浮かぶことになる。
◼️考察
物質と液体の密度差が原因で浮くプラスチックと沈むプラスチックに分かれた。食塩水は水より密度が大きいため、より多くの物質が浮かぶことになった。つまり、海ではより多くのプラスチックが海面に浮遊し、多くの生物が食べてしまうリスクがあると考えられる。
ごみ問題の中でも世界的に深刻な状況にあるのは、「プラスチックごみ」です。インドネシアも日本も島国ですから当然例外ではありません。
ニュースなどでは、ウミガメがビニール袋をエサだと思って食べてしまうということがよく取り上げられていますが、マイクロプラスチック(※目に見えないくらい細かくなったプラスチック片)が生態系に及ぼす影響も大変深刻です。
人が捨てたプラスチックごみは河川や海に流れ込みます。日がたつごとにボロボロになり、細かくなっていきます。やがて細かくなったプラスチックを魚を中心とした水生生物が取り込みます。その水生生物をエサとする生物にも取り込まれて、蓄積されていきます。人間もこの連鎖の中にいます。
こうした問題を自分事として受け止め、どのように対応することができるか国を越えた解決方法についても考えることができました。
どの生徒も怖気づくことなく一生懸命に取り組んでいます。英語でうまく考えを伝えられないということもあるようですが、それでも自分なりに考えを伝えようとし、また国際交流を楽しんでいる様子でした。
明日はペトラグループの別の学校へ行きます。一つひとつの学びを大切に、最後まで研修を行いたいと思います。




