JAXA・国立天文台ワークショップ実施報告書
JAXA・国立天文台ワークショップ実施報告書
【開催概要】
2025年6月10日、国立天文台(三鷹)、JAXA調布宇宙センターの連携ワークショップを実施した。本ワークショップでは、参加者は天文学や宇宙科学、航空宇宙工学の最先端に触れ、深い探究活動を実施した。専門家による講義や体験型の探究活動を通じて、深い学びと気づきを得ることができた。今後のフィールドワークや探究活動において、今回の経験が大いに役立つことが期待できる。
『国立天文台での活動』
国立天文台前副台長の渡部潤一特任教授による「流星」についての特別講義が行われた。講義では、流星の仕組み、流星群の定義、放射点の概念など、流星に関する基本的な知識が分かりやすく解説された。午前9時30分から30分間の予定であったが、生徒からの質問が相次ぎ、その一つ一つに丁寧に回答してくださり時間を大幅に超えて講義は終了した。
講義後、4D2Uドームシアターにて、最新の観測データと理論研究に基づいた立体映像で宇宙のしくみを学習した。担当研究者による解説のもと、地球から宇宙の大規模構造に至るまでの広大な空間をバーチャルで巡ることで、宇宙の壮大さと複雑さを直感的に学んだ。
その後、参加者はグループに分かれ、国立天文台で公開されている施設を自由に見学し、事前学習で取り組んだテーマに基づいた探究活動を行った。
『JAXA調布宇宙センターでの活動』
昼食後、国立天文台から徒歩でJAXA調布宇宙センターへ移動した。JAXA担当者によるガイダンスの後、参加者は2つのグループに分かれ、以下の探究活動を行った。
* スペースミッションシミュレータ体験:宇宙ステーションでの活動、月へのフライト、そして地球への帰還といった一連の宇宙ミッションをシミュレータで体験し、JAXAが現在取り組んでいる様々なミッションと最先端の研究を学習した。
* 風洞実験体験:風洞実験模型を用いて、実際の風洞実験の様子を体験した。これにより、航空機の設計や空気抵抗に関する基本的な原理を実践的に理解した。
* YS-11コックピット:航空機の操縦環境、機体構造、そして日本の航空技術の歴史について学んだ。
また、以下の展示施設も担当者による説明により、航空宇宙技術の進化と将来の展望について学びを深めた。
* 小型超音速実験機
* エンジンロータおよび燃焼器(FJR710など)
* 将来宇宙輸送システム(ALFLEXの実機展示)
文責 大塚 寿